I-Method

6-21 損益分岐分析


簡易損益分岐分析(営業利益ベース)

データ
来期目標
今期
前期
前々期
売上高
2,070,000
1,800,000
1,600,000
1,400,000
売上原価
1,254,265
1,191,000
1,144,000
1,100,000
販売費・一般管理費
350,000
350,000
355,000
350,000
営業利益
465,735
259,000
101,000
-50,000
変動比率
 
0.235
0.220

限界利益率
 
0.765
0.780

限界利益率
 
0.773

固定費
1,133,340
1,131,500
1,135,000

損益分岐点
 
1,479,085
1,455,128

損益分岐点
 
1,467,107

差異(売上高差異)
602,893
332,893
132,893
-67,107
比率(売上高比率)
140.0%
121.7%
109.1%
95.4%
計画営業利益
465,735
257,160
102,660
-51,840
営業利益成長率
81%
150%
-
 

 前3期の損益計算書から、損益分岐点を算定し、来期の経営目標に相当する売上原価を算定するための簡易計算表である。使用しているデータは、前3期の売上高、売上原価、販売費・一般管理費の3つだけである。
 販管費はほぼ一定なので、固定費とみなしている。
 来期の売上高は、今期売上高の15%アップと設定している。
 その他の項目は自動的に計算されている。

来期売上高の設定方法

 来期売上高を設定する方法は2つある。1つは、売上高成長率をいきなり設定する方法である。上記の損益分岐分析では、いきなり15%アップとしている。しかし、これは希望的観測にすぎない。なぜなら、前期の成長率は15%だが、今期の成長率は12.5%であり、来期の成長率が15%である根拠がない。
 もう1つの来期売上高の設定方法は、今期の売上高を新規売上高と既存売上高(既存顧客売上高)に分解して、リピート率を算定する方法である。
 たとえば、今期売上高18億円の内訳が次の通りだったとする。
 18億円=新規売上高3億円+既存売上高15億円
 すると、リピート率は次の式になる。

 リピート率 = 既存売上高 / 前期売上高
       = 15億円  / 16億円
       = 93.75%

 来期の新規売上高を今期と同額に設定すると、来期の売上高は次の式になる。

 来期売上予測 = 今期売上高 × リピート率 + 来期新規売上高
        = 18億円  × 93.75%   + 3億円
        = 19.875億円
 売上目標・予測差異 = 20.7億円 − 19.975億円
           = 0.825億円

 すなわち、今期並みのリピート率を維持し、新規顧客売上高も今期並みの場合には、15%成長に約8千万円届かないことになる。
 この計算方法は、売上高を新規売上高と既存売上高に分解するだけで可能だが、総売上高をベースにした場合、既存売上高の比率が50%以上ならプラス成長になるという単純な結果になる。しかし、部門別、地域別に分けて計算した場合には、別の結果が出てくる。できるだけ、部門を細かく設定すれば、緻密な売上予測を立てることができる。

新規売上高の設定方法

 参考までに、新規売上高は次の式で計算される。

 新規売上高 = 新規営業先数 × 平均客単価 × ヒット率

 この式で、平均客単価とヒット率は、過去の営業成績から計算できる。
 したがって、管理可能な目標は、新規営業先数だけということになる。

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