I-Method

6-5 収集運搬4

収集運搬単独のキャッシュフロー計算例


  指 標 数式 4月 5月 6月 7月
a 総積載能力(トン)   90 90 72 72
b 車両台数   10 10 8 8
c 平均積載能力   9 9 9 9
d 総運搬重量   600 720 600 720
e 総走行距離(km)   6,000 7,200 6,000 7,200
f 総運搬日数   200 200 160 160
g 総運搬回数   300 330 270 270
h 車両回転数 g/f 1.5 1.7 1.7 1.7
i 総運搬時間   500 600 500 600
j 月間原価(千円)   8,000 9,000 6,400 6,400
k 積載効率 d/(c*g) 0.22 0.24 0.25 0.30
l 時間走行距離 e/i 12 12 12 12
m 時間原価(円/h) j/i 16,000 15,000 11,000 10,667
n 重量原価(円/kg) j/d 13.3 12.5 10.7 8.9
o 距離原価(円/km) ij/e 1,333.3 1,250.0 1,066.7 888.9
p 標準料金(円/kg)   10.0 10.0 10.0 10.0
r キャッシュフロー(千円) c*k*h*f*(p-n) -2,000 -1,800 -400 800

 上記が、収集運搬単独のキャッシュフローの計算例である。
 4月は、200万円の赤字(マイナスキャッシュフロー)となっている。
 5月は、業務量を増やすことで、車両回転数と積載効率を高める努力をしているが、キャッシュフローはあまり改善していない。
 6月は、業務量は4月と同水準で維持し、車両を2台削減している。キャッシュフローは劇的に改善している。
 7月は、業務量を増やし、車両を削減している。これでようやく黒字になっている。

 これはあくまで机上の試算であるが、一般に赤字化した事業を立て直すには、営業努力よりもコスト削減努力のほうが即効性がある。
 収集運搬業の場合、車両削減がコスト削減の切り札になる。
 もちろんのことであるが、車両を削減しても運搬実績を維持するためには、定期回収ルートの見直しなど、構造的な改善が必要になる。
 黒字体質を回復しないまま営業努力で事業を拡大すると、かえて赤字が拡大することもある。これは収集運搬業にかぎったことではない。

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