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6-8 積替保管3

積替保管場の不法投棄センター化

 積替保管場を、不法投棄の温床と考える人は多い。大手のハウスメーカーの中には、社内規定で「積替保管場を有する収集運搬業者に委託しない」と明文で定めているところもあった。
 それは積替保管が不法投棄センターとなりやすい性質を元来そなえているからである。
 積替え保管を適正に管理するには、適正な量の廃棄物を持ち込み、これを主として手作業によって品目別に分別し(簡単なスクリーンなど軽微な設備が認められている場合もある)、品目別に区画された保管場所に飛散しない状態で保管し、一定量がたまったところでリサイクル先、中間処理先、最終処分先に効率的に運搬する。
 管理良好な積替保管場は、適正入荷量と分別保管を行っているから、一目見ればわかる。積替保管場がすべて悪いわけではない。

 管理の悪い積替保管は、持込を中心にした受注をしており、分別せずに廃棄物を大量にヤードに積み上げ、建設機械で破砕したり、クローラ(キャタピラ)で踏み潰したりしている。これを重機破砕と呼ぶ。いわばもぐり処分場である。
 重機破砕した廃棄物は、もはや適正処理が困難で、木くずが混入しているので、管理型最終処分場に持っていかなければならない。だが、これが安定型最終処分場に大量に持ち込まれていた時代があった。
 安定型最終処分場の管理状態の悪化の大きな要因が、重機破砕物の持ち込みなのである。
 重機破砕物が持ち込まれた安定型最終処分場では、火災、硫化水素や塩化水素の発生、土壌や地下水汚染、悪臭などさまざまな問題を起こしている。なかでも石膏ボードの主成分である硫酸カルシウムに由来する硫化水素の発生は大きな問題だといえる。

 最終処分場の残存容量が逼迫していた時代には、重機破砕物が最終処分場へ行かず、大量に不法投棄現場へと流出していた。
 これが積替保管場=不法投棄センターという意味である。
 さらには、無数の小規模な無許可積替保管場が存在し、建設系廃棄物を中心に、便利な産廃のコンビニとして機能していた。無許可保管場に持ち込まれた産廃は、100%が不法投棄か違法焼却されていた。

積替保管場の構造図


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