I-Method

6-20 ボジション戦略



 5-11で紹介した平均単価・労働生産性相関図を用いたポジション戦略図である。
 グリーン・ポジションは、現状を表す。現状は一人当たり売上高3,000万円、平均単価45,000円/トン、一人当たり年間処理実績667トンである。

 ブルー・ポジションは、現状から価格を60,000円に改定し、生産性が現状を維持できた場合で、生産性667トンのライン上を右上にポジションが移動しる。このポジョション移動は、寡占状態の売り手市場である場合、インフレによる名目的な値上げの場合、あるいは談合による業界全体の同一歩調での値上げの場合など、特殊な市場構造の場合に限られる。

 ピンク・ポジションは、高価格戦略により生産性が維持できかった場合である。価格はブルー・ポジョションと同じ60,000円だが、生産性は半分の333トンに半減している。生産性半減の理由は、競争による顧客離れという外的要因が、高価格商品による生産工程の増加という内的要因かいずれかが考えられる。この結果、一人当たり売上高は2,000万円に低下している。高価格戦略が失敗した例である。

 レッドポジションは、ピンクポジションから価格を維持しながら、生産性を回復した場合である。ポジションが水平に移動し、一人当たり売上高3,000万円を回復している。

 一般的に、高価格戦略より高生産性戦略のほうが収益性を維持しやすい。もっとも成功しやすい戦略は、ピンクポジションからグリーンポジションへのシフト(価格低下と生産性向上の組み合わせ)である。これは産廃処理業に限ったことではなく、業種を問わず、製造業でも飲食業でもアパレル産業でも共通である。

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