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法改正要綱7−1−1


【要綱】排出事業者による適正な処理を確保するための措置

一 事業者が産業廃棄物を保管する場合の届出

1 事業者は、その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場の外において、自ら当該産業廃棄物の保管を行おうとするときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならないこととすること。

【解説】

 建設系廃棄物に限定した場外保管にかかる規定の新設である。規制内容の詳細は省令素案を見てもらいたい。なお、届出は許可ではないので、届出書に不備がなければ、都道府県知事は受理しなければならない。届出は郵送でも認められる。この場合は副本と返信用封筒を同封し、受理印が押された複本の返送を求めるのが通例である。
 気になることが2点ある。
 第一点は、保管場所における掲示板の表示義務についての規定がないことである。収集運搬業の積替保管場についての表示義務規定を準用すれば万全だと思うが、省令素案では自社場外保管については表示義務規定がないので表示しなくても問題はないことになる。表示がないと、周辺住民から不法投棄ではないかという通報が来ることがありえる。実際の省令がどうなるか注目したい。
 第二点は、自治体の条例による規制との関係である。たとえば千葉県では100平方メートル以上の自社産業廃棄物保管場について許可制としており、掲示板の表示義務もある。法学的には法の規制ができたのだから、法の規制にかかる部分は、条例の規制は不要もしくは無効になったと解すべきである。さもないと二重規制になり、法の届出と条例の許可の両方が必要になる。しかし、法より条例のほうが規制が厳しい場合には、300平方メートル以上の建設系廃棄物の保管場について、条例の適用を除外すると規制が緩くなってしまう(届出なので形式的審査しかなく、現地における表示義務もない)。すなわち、法が適用されない300平方メートル以下の保管場のほうが規制が厳しいという逆転現象が生じる。法と条例の関係について、各自治体において解釈がまちまちになるという可能性もある。
 条例のある大半の自治体は、法と条例の二重規制を選択するのではないかと予想している。この場合、条例の許可要件を満たしていないと、法の届出も不受理になる。

【改正条文】

(事業者の処理)
第十二条
3 事業者は、その事業活動に伴い産業廃棄物(環境省令で定めるものに限る。次項において同じ。)を生ずる事業場の外において、自ら当該産業廃棄物の保管(環境省令で定めるものに限る。)を行おうとするときは、非常災害のために必要な応急措置として行う場合その他の環境省令で定める場合を除き、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。

(事業者の特別管理産業廃棄物に係る処理)
第十二条の二
3 事業者は、その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物(環境省令で定めるものに限る。次項において同じ。)を生ずる事業場の外において、自ら当該特別管理産業廃棄物の保管(環境省令で定めるものに限る。)を行おうとするときは、非常災害のために必要な応急措置として行う場合その他の環境省令で定める場合を除き、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。

【省令素案】

(1)届出対象となる廃棄物(法第12条第3項及び第12条の2第3項関係)
 第12条第3項及び第12条の2第3項の環境省令で定める産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物は、建設工事に伴い生ずる産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む。)とする。

(2)届出対象となる保管(法第12条第3項及び第12条の2第3項関係)
 第12条第3項及び第12条の2第3項の環境省令で定める保管は、300平方メートル以上の保管場所で行う保管とする。
 ただし、以下の保管については、別の制度により当該保管について都道府県知事が把握できることから、本制度による届出義務からは除外する。
 ・排出事業者が産業廃棄物収集運搬業の許可(積替保管を含む。)又は産業廃棄物処分業の許可を受けており、その許可の範囲で行う保管
 ・排出事業者が産業廃棄物処理施設の設置許可を受けており、当該施設で行う処分又は再生に当たって行う保管
 ・排出事業者がPCB特別措置法第8条の届出を行った場合における当該届出に係るPCB廃棄物の保管

(3)届出事項(法第12条第3項及び第12条の2第3項関係)
 第12条第3項及び第12条の2第3項で定める環境省令は、次のとおりとする。
 1 届出書には以下の事項を記載することとする。
 ・保管場所としての使用開始年月日
 ・保管を行おうとする排出事業者の氏名又は名称、住所、法人にあってはその代表者の氏名及び連絡先
 ・保管を行おうとする場所の所在地、面積
 ・保管を行おうとする産業廃棄物の種類
 ・保管の方法(屋外・屋内、容器の使用の有無等)
 ・保管を行おうとする産業廃棄物の量の上限
 ・屋外で容器を用いずに保管を行おうとする場合にあっては産業廃棄物の高さの上限
 ・保管場所が排出事業者の所有する土地でない場合にあっては、保管場所の土地の所有者の氏名又は名称
 2 届出書には、以下の書類を添付することとする。
 ・保管場所付近の見取図
 ・保管場所の区域及び面積を明らかにする平面図
 ・保管場所の土地の登記事項証明書(保管場所が排出事業者の所有する土地でない場合にあっては、当該土地に係る賃貸借契約書その他の当該土地の使用権限を証する書類の写し)

(4)事後届出の対象となる場合
 第12条第3項及び第12条の2第3項の環境省令で定める場合は、非常災害のために必要な応急措置として当該保管を行う場合とする。

(5)事後届出事項
 第12条第4項及び第12条の2第4項で定める環境省令は、次のとおりとする。
 1 届出書には、以下の事項を記載することとする。
 ・保管を開始した日、保管期間
 ・保管をした排出事業者の氏名又は名称、住所、法人にあってはその代表者の氏名及び連絡先
 ・保管をした場所の所在地、面積
 ・保管をした産業廃棄物の種類
 ・保管の方法(屋外・屋内、容器の使用の有無等)
 ・保管した産業廃棄物の量の上限
 ・屋外で容器を用いずに保管した場合にあっては産業廃棄物の高さの上限
 ・保管場所が排出事業者の所有する土地でない場合にあっては、保管場所の土地の所有者の氏名又は名称
 ・応急措置として保管した理由
 2 届出書には、以下の書類を添付することとする。
 ・保管場所付近の見取図
 ・保管場所の区域及び面積を明らかにする平面図
 ・保管場所の土地の登記事項証明書(保管場所が排出事業者の所有する土地でない場合にあっては、当該土地に係る賃貸借契約書その他の当該土地の使用権限を証する書類の写し)

(6)届出事項の変更時の届出
 (3)の届出を行った事業者は、届出事項を変更しようとする場合には、事前に、届出事項のうち変更のあるものについて届出を行わなければならないこととする。

(7)施行日以降で行われている保管についての届出
 (3)の場合と同様の届出書及び添付書類により届出を行うこととする。

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棄物処理法の改正公布(5月19日)


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