I-Method

6-7 積替保管2

積替保管のキャッシュフロー計算例


 
指 標
数式
4月
5月
6月
7月
四半期計
a 保管能力(トン)   2,000 2,000 2,000 2,000 2,000
b 月初在庫量 =前月末 0 300 800 1,500 0
c 搬入量(全量持込)   800 1,000 1,200 1,400 4,400
d 搬出量   500 500 500 500 2,000
e 月末在庫量 b+c-d 300 800 1,500 2,400 2,400
f 月間原価(千円)   3,000 3,000 3,000 3,000 12,000
g 平均在庫量 (b+e)/2 150 550 1,150 1,950 950
h 平均在庫率 g/a 0.08 0.28 0.58 0.98 0.48
i 1日平均搬出量 d/30 17 17 17 17 17
j 平均在庫日数 g/d*30 9.0 33.0 69.0 117.0 14.3
k 月間在庫回転率 d/g 3.3 0.9 0.4 0.3 2.1
l 搬出単価(千円/トン) f/d 6 6 6 6 6
m 標準料金(千円/トン)   10 10 10 10 10
n 現金ベースキャッシュフロー c*m-f 5,000 7,000 9,000 11,000 32,000
o 発生ベース営業利益 d*m-f 2,000 2,000 2,000 2,000 8,000
p 前受金残高 e*m 3,000 8,000 15,000 24,000 24,000
r 在庫ベースキャッシュフロー g*k*(m-l)+p 5,000 7,000 9,000 11,000 32,000

 上記の計算例では、c搬入量を全量持込(自社便なし)としている。
 d搬出量には、自社便を用いている。自社ダンプは10トン車2台で、1日20トンを運搬する能力があると仮定している。
 持込量が搬出能力を上回っているため、毎月の在庫が増加している。これは不良在庫であるが、在庫の増加にともなって、キャッシュフローは増加している。

 n現金ベースキャッシュフローは、手元に残っているキャッシュを直接的に計算したものである。
 r在庫ベースキャッシュフロー(CF)は、次の式で計算している。

 CF=平均在庫量×月間在庫回転数×粗利率+前受金増分

 結果として、現金ベースキャッシュフローと在庫ベースキャッシュフローは一致している。(金庫の中のキャッシュは同じなのだから当然だ。)
 現金ベースキャッシュフローは管理できない結果だけのドンブリ勘定であるが、在庫ベースキャッシュフローは管理できる。
 キャッシュフローを管理可能な要素に分解することは、キャッシュフロー会計にとってきわめて重要なことである。これがキャッシュフロー会計と、単なる現金主義会計との決定的な違いである。

 (在庫ベースキャッシュフローは、Iメソッド・プロフェッショナルバージョンが独自に開発した積替保管分析に特化した概念である。これはIM−CやIM−Bでは到達できなかった、IM−Pの成果の一つであると考えている。)

先頭のページ 前のページ 次のページ 末尾のページ
I-Method Webセミナーへのへのご意見・ご提案・ご感想をお待ちしております。