I-Method

7-11 中間処分業(2)

チェック項目2 ライン構成の把握

 ライン構成は、もっとも重要な現地調査のチェックポイントである。単独施設、単品処理の施設なら、許可証や公開情報で十分だが、複合処理施設の場合は、現地で施設の連結状態を実際に見て、工場管理者から説明を聞かないと、ライン構成を理解できない。
 ライン構成がわからないと、施設の総合処理能力が算定できない。
 ラインのチェック項目は以下の通りである。

 1 ラインの数
 2 ラインごとの主要設備
 3 ラインごとの処理能力
 4 ラインごとの処理量(稼働率)
 5 ラインの運転・整備状況

 ラインの数は、施設配置図、処理フロー図、処理実績(ラインごとに整理されている場合がある。)、施設の連結状態、主要設備などを総合的に勘案して決める。
 施設で用いられているラインの数が正しいとは限らない。

 主要設備は、ボトルネック、クリティカルなどとも呼ばれることがある。ラインの中でもっとも大きな設備がたいていは主要設備である。フロー図を描いたとき、その設備を必ず廃棄物が通り、その設備の能力がライン全体の能力を決定しているとき、その設備が主要設備である。主要設備は1つであることもあるし、複数あることもある。
 先に主要設備を決定し、主要設備の数でラインの数を決めてもよい。
 主要設備よりも前にある設備を前処理設備、後にある設備を後処理設備と呼ぶ。
 たとえば、破砕、機械選別、圧縮梱包が連続したラインでは、破砕機が前処理設備、機械選別が主要設備、ベーラー(圧縮梱包機)が後処理設備である。

 ラインごとの処理能力は、主要設備の処理能力で代表させ、前処理と後処理は無視する。主要設備が並列している場合は処理能力を合計し、直列している場合は、一番小さな能力がラインの能力になる。
 処理品目ごとに処理能力の表示が異なる場合は、混合処理能力があればそれを用い、それがなければもっとも処理能力の表示が大きくなる品目で代表させる。

 ラインごとの処理量がわかれば、ラインごとの施設稼働率を算定することができる。
 一般的に、稼働率は50%〜80%が理想的である。設備にはかならず段取りや点検があるので、稼働率100%はありえない。ただし、によって稼働率が100%以上になることがある。
 稼働率が低すぎる場合(20%以下)は施設のメンテナンス不良や老朽化、稼働率が高すぎる場合(100%以上)は過剰受注、運転時間延長(許可条件違反)、過小処理能力表示などの問題がある可能性がある。
 廃棄物の設計比重と実際比重の誤差から、稼働率が低くなってしまう施設がある。とくに破砕施設はこの傾向がある。

 ラインの運転・整備状況は次の項目でチェックする。
 1 施設の稼動状況
 2 故障や修繕の痕跡 
 3 運転担当者の人数
 4 運転記録、整備記録
 5 無許可施設設置、無許可施設更新
 6 マルチ処理

 マルチ処理とは、1つの処理施設を段取りを変えることによって複数の品目に対応させる処理である。マルチ処理は、処理後廃棄物に異物が混ざりやすいので、望ましくない。

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