I-Method

7-5 ライン実地検証

ボトルネックの特定

 処理施設のライン構成は公開情報の処理フローを見ればわかる。しかし、フロー図は業者によって作成方法がさまざまで統一性がなく、許可証に記載された処理施設との関係が明らかでない場合が多い。
 現地調査では、処理施設配置図と比較しながら処理施設の実際の配置を確認することができる。処理の流れにそって施設を視察したあとでフロー図をみれば、より直感的にライン構成を把握することができる。
 ライン構成を明らかにできたら、模式図的なライン構成図を書いてみるといい。すべての処理施設をフローに沿って連結することがっできればOKである。

 次に、ラインごとの主力設備を特定する。主力設備は、ボトルネック、クリティカル、制約条件などと呼ばれることがある。
 ボトルネックは、
  条件1 ラインに入力するすべての廃棄物がこの施設を経由する。(並列処理の場合は複数あってもよい。)
  条件2 この施設の能力を変えると、ライン全体の能力が変わる。
  条件3 この施設がストップすると、ライン全体がストップする。
 といった条件で規定できる。もしも、ボトルネックの候補となる施設が複数直列に連結されている場合は、その中で最小の能力の施設がボトルネックである。ただし、廃棄物処理ラインはそれほど複雑ではなく、前処理、本処理、後処理の3工程になっていることがほとんどであり、本処理に用いられる施設だけが飛びぬけて処理能力が大きいことが普通である。

 廃棄物処理法15条許可施設は施行令7条によって限定列挙されているので、許可の不用な施設が存在することがある。現地調査では、許可証にない施設もライン構成に加えていく必要がある。とくに発酵施設、乾燥施設、手選別ラインなどは、許可証になくてもボトルネックになっていることがある。

ラインの能力と施設の能力

 ボトルネックを特定できれば、その能力でラインの能力を代表させる。
 なお、ボトルネックの処理能力が廃棄物の品目ごとにことなって表示されている場合には、混合処理の能力表示があればそれで代表させ、単品目ごとの表示しかない場合は最大の能力で代表させる。
 施設全体の処理能力は、ラインごとのボトルネック施設の能力の合計とする。

 施設の処理能力をより正確に算定できれば、Iメソッドのすべてのバージョンの分析の精度が向上する。 

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