I-Method

8-3 リサイクル(3)

チェック項目3 偽装リサイクル

(1)偽装売買
 市場価値のない再生品を関連会社などに偽装売買する手口である。関連会社との取引を調査すれば判明する。関連会社は廃棄物として処理している。
 関連会社への偽装売買は、関連会社が実体のないペーパーカンパニーであれば明らかだが、実態がある場合は、関連会社で再生品をどのように処分したかを確認しなければならない。
 偽装売買を数回行って追求をかわす方法は、工業米を食用米に偽装した手口と似ている。

(2)価格分割請求
 残渣を再生品として販売し、他の費目で販売収入以上の処分費を支払う手口である。他の費目として運搬費、調査費、協力費、架空の建設費などがないか調査すれば判明する。

 販売収入 − (運搬費+調査費+協力費+…) < 0

 なら、無価物主義からは廃棄物処理であり、偽装リサイクルということになる。
 ただし、この式が成り立っていても、廃棄物の用途に一般的な有用性が認められる場合には、訴訟でリサイクルであると認められた判例もある。
 この判定式は、後に偽装輸出でも出てくる。

(3)再生品在庫処分
 売れる見込みのない再生品を、売れ残り廃棄物として大量処分する偽装である。再生品在庫の調査、販売先の調査、残渣処分率の調査などから判明する。

(4)見せ玉
 他社の再生品やバージン原料で作成した商品を自社の再生品として展示したり、サンプル出荷したりする手口を見せ玉といい、偽装リサイクルではよく行われている。
 また、自社でもコストをかけて限られた数だけ再生品を制作して出荷し、見せ玉とする手口もある。
 リサイクルの知識があれば、最初から見せ玉は通用しないが、工場を現地調査し、実際に作られている商品と比較すれば、見せ玉を見抜くことはだれにでも簡単である。(逆に言うと、見せ玉を使っている業者は工場を見せない。)

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