I-Method

5-11 二次解析2


平均単価・労働生産性相関図


 上記分析図は、横軸を従業員一人当たり売上高、縦軸を平均単価として、ファースト50社の分析結果をプロットしている。原点からの角度を洗わずイエローの線は一人当たり年間250トンの労働生産性ライン、同じくグリーンの線は年間500トンライン、ブルーの線は1,000トンラインである。
 分析結果は、主系列群ニッチ群異常値群の3群に分かれているように見える。
 標準値は、平均単価30,000円、従業員一人当たり売上高2,000万円をあらわずレッドのラインである。


 主系列群は、多量排出低価格の普通産廃を処理する業者である。労働生産性はおおむね、500〜1,000トンのライン内に収まっている。
 一人当たり売上高と平均単価の間には若干の相関が見られる。
 平均価格と従業員一人当たり売上高がいずれもレッドラインを下回る業者は、赤字企業である可能性が高い。


 平均単価は、処理施設が主たる営業の対象としているセグメントが、ニッチ市場か、メジャー市場かを見分ける指標となる。
 平均単価が高い群は、化学系廃棄物、医療系廃棄物、特殊な廃油、肉骨粉などの特別管理産業廃棄物(特管物)であり、廃棄物処理においては少量高価格のニッチ市場を形成している。
 この分析図を見ると、特管物を扱うニッチ市場は、価格は高くても労働生産性が低くなるため、結果的に儲かっていないように見える。

 少量高価格のニッチ市場が、かならずしも高度処理だとはかぎらない。多くの場合は、収集運搬の非効率や事故リスクに対する保障が、高価格の主たる要因になっている。結果的には、特管物も一般物と混合されて焼却されたり、埋め立てられたりしている。


 平均価格が高すぎる群は異常値群としている。売上高に産廃処理以外の売上高が占める割合が高い、収集運搬中心の営業をしているなど、原因を究明してデータを補正すれば、ニッチ群か主系列群かに振り分けることができある。


 平均単価・労働生産性相関図は、IM−Bのもっとも基本的な解析図であり、この図だけで、産廃業者が対象としているセグメント(ニッチ市場かメジャー市場か)、生産性、収益性(黒字か赤字か)などが、ある程度判別できてしまう。

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