5-5 基本4指標
基本4情報を組み合わせて、基本4指標を計算することが、IM−Bの基本分析である。
基本4指標は次のとおりである。
1 施設稼働率
2 平均単価
3 オーバーフロー率
4 生産性
基本4指標は、結局のところ生産性を検証している。生産性を指標として、基本4情報が無矛盾であることを検証していると言い換えても言い。データに矛盾があれば、異常な(現実的でない)生産性となるのだ。
なぜ、4つもの指標が必要なのか。決算書や会計帳簿は改ざんすることができるが、それで特定のデータの不都合を解消できたとしても、一つの不都合を解消すれば、別のデータに新たな不都合が生じる。すべてのデータに不都合が生じないように数字をさわる(改ざんする)ことは、とても難しいのだ。そのため、生産性を4通りの方法で指標化しているのだ。つまり多重検証である。
たとえば、処理実績を過小に改ざんすれば、稼働率や平均単価が高くなり、労働生産性は低下する。売上高を過小に改ざんすれば、平均単価と一人当たり売上高が小さくなるわけだ。
1の施設稼働率は、基本4情報のうち、処理能力と処理実績を用いて計算する。
収集運搬の稼働率
車両回転数=収集運搬実績/(積載能力×積載効率×稼働日数)
中間処理の稼働率
施設稼働率=中間処理実績/(処理能力×稼働日数)
最終処分の稼働率
残余年数=残存容量/(処分実績/比重)
ここで収集運搬の積載効率は不明なら1.0(満載)と仮定する。最終処分の埋立物の比重は不明なら0.7と仮定する。0.7は経験値である。例としては阪神淡路大震災で発生し、最終処分された神戸市の震災廃棄物800万トンの平均比重が0.7だった。
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