I-Method

5-4 処理能力の算定


 処理能力は、収集運搬、中間処理、最終処分の3区分ごとに求める。リサイクルは法律上、中間処理に含めるか最終処分に含めるか議論がある。IM−Bでは、法律上の議論は気にせず、リサイクルは中間処理に含めて計算する。

 収集運搬能力は、車両の積載能力の合計で求める。ただし、運搬能力は、積載能力のほかに、積載効率(荷台に何割積むか)、車両回転数(1日何回出動するか)を勘案する必要がある。
 とちらも1と仮定すれば、積載能力と収集運搬能力は等しくなる。
 代車や用車など、他社車両による運搬がある場合、保有車両として開示されていないので、分析誤差の要因になる。積替保管場への持込み(排出者運搬)がある場合も、分析誤差の要因になる。逆にこれらの誤差から代車や持込みの事実を究明することもできる。

 中間処理能力は、許可証、施設の状況、処理の状況からラインの構成を割り出して算定する。
 焼却炉や破砕機などの施設が一つしかなければ簡単であるが、複合施設の中間処理能力の算定はIM−Bでもっとも難しい部分である。これは実際に分析をやってみればすぐわかることで、単純に許可証の数字を合計してもうまくいかない。
 並列したラインの能力は別個のものとして算定するが、直列したラインの能力はボトルネック(コントロール、クリティカルとも言う)となっている主要設備の能力で代表させるのが、処理能力計算の原則である。
 どの施設がボトルネックとなっているかは、ライン構成図を作成してみないとわからない。ライン構成図を開示している業者もある。
 ライン構成画が開示されておらず、作成もできない場合は、ラインの数だけ確定して、それぞれのラインに属する施設の中の最大能力施設をボトルネックだと仮定する。(無駄な施設を設置しないという仮定に立てば、最大能力施設を生かしきるラインになっているはず)
 ラインの数は許可証の表示区分から推定できる場合が多いが、処理の状況から推定できる場合もある。一般に処理実績はラインごとに算定しているからである。
 マルチ処理施設(一台の破砕機で、金属、木くず、プラスチックなど複数品目をタイムシェアリングして破砕している場合)の処理能力は、最大処理実績のある品目の能力で代表させるか、もっと単純に最大能力品目で代表させる。

 最終処分場の能力は残存容量で求める。ただし、これはフローの処理能力ではなく、ストックの処理能力である。
 最終処分場のフローの処理能力(年間受入可能量)は、自社運搬に限定している場合は運搬能力と等しくなる。住民協定や公害防止協定などで、1日の受入台数が制限されている場合には、それがボトルネックになる。そのほか、重機や作業員の数、道路事情などからも受け入れ能力には制約がある。延命のため自主的に台数を制限する場合もある。
 これらの制約条件から、最終処分場のフローの処理能力を確定するのはとても難しい。分析をあきらめて、せめて他の処理区分の分析に影響を及ぼさないようにするため、処理実績と処理能力を等しいものと仮定する(重機の数などを調整し、処理実績に見合う処理能力にしていると仮定する)のもやむをえない。

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