I-Method

9-9 iM−eM

iM−eM

 電子マニフェストは、優良性評価制度とともに環境省が普及を図っている処理業界優良化の主要施策である。すでに自動車リサイクル法では義務化され、家電リサイクル法でも義務化が検討されているが、産業廃棄物管理票の電子化については、勧奨制度の普及率が50%を超えた時点で、義務化が検討されることになっている。現在はまだ約20%の普及率である。
 電子マニフェストは、紙マニフェストをペーパーレス化するシステムであるとうたわれているが、完全なペーパーレス化が行われるわけではなく、実際には受渡確認票を出力して、荷札として機能させている。収集運搬業は物流業であり、荷札がなければ現物の到達を確認できないからである。この荷札のかわりにICチップを用いるなどの方法も実用化されている。

電子マニフェストの拡張性

 電子マニフェストはさまざまな拡張性を有している。

(1)自動集計、報告システム
 すでに年1回(6月)の行政への報告で実施されているシステムである。
 自動集計の期間を日報化、週報化、月報化して、WMS(ウェイストマネジメントシステム)に組み込むこともできる。これもすでに実用化しており、排出事業者と処理業者の双方で普及が進みつつある。処理業者が電子マニフェスト情報を集計して排出事業者に報告するサービスもはじまっている。

(2)ICチップまたはQRコード
 受渡確認票の読み取りを電子化するシステムである。ICチップやQRコード(二次元バーコード)を容器に貼り付けることによって、容器単位で電子マニフェスト情報と紐付けすることができる。
 ICチップは非接触で大量の情報を読み取れるメリットがあるが、コストが高いことが欠点である。QRコードはICチップと遜色のないデータ量を安価なシールに記録することができる。すでにいずれのシステムも完成し、普及が進んでいる。

(3)WDSの電子化
 PRTR法に準拠し、有害物質を含む廃棄物(特別管理産業廃棄物)を受け渡すときには、WDS(ウェイスト・データ・シート)を添付することが義務付けられている。
 WDSを電子化することによって、電子マニフェストとの紐付けを行えば、排出業者と処理業者が有害物質情報を共有し、処理状況を排出事業者に還元することが可能になる。

(4)GPS情報付き現場写真
 平成20年法改正で排出事業者による現地確認の努力義務が課せられたが、想定されているのはせいぜい年に1、2回の現地視察である。
 以前はGPS専用カメラを用いたシステムもあったが、現在では汎用のGPS付きスマートフォンを利用した撮影位置情報付き写メールシステムが開発されている。GPS情報付き現場写真と電子マニフェストを紐付けすれば、車両単位もしくは容器単位で廃棄物が処分場に到達したことを確認することできる。
 GPS情報付き現場写真はトレーサビリティツールであって、排出業者による現地確認義務を代替するものではないが、それを強力に補強する日常管理システムとして将来的な普及が見込まれる。

(5)電子マニフェストとiMethodの結合
 電子マニフェストの自動集計システムに、iMethodを組み込めば、日報、週報、月報の単位で、処理施設や保管施設のオーバーフローを監視することができる。
 さらには、グループ企業全体でのマテリアルバランスをリアルタイムに監視することも可能になる。
 iM−Gと電子マニフェスト、ICチップ(またはQRコード)、EWDS(電子化された廃棄物データシート)、GPS情報付き現場写真、WMS(廃棄物管理システム)を統合したトータル・トレーサビリティ・アプリケーションが、iM−eMである。



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