I-Method

9-4 iM−Gとは

iM−G(ガバナンスバージョン)とは

 iMethodの4つのバージョン、iM−C(クラシックバージョン)、iM−B(ベーシックバージョン)、iM−P(プロフェッショナルバージョン)、iM−O(オンサイトバージョン)は、いずれも個別の産廃業者に適用される分析メソッドである。これに対して、iM−G(ガバナンスバージョン)は、複数の企業を一括分析する連結メソッドである。
 iM−Gはその性格上、M&A分析の手法として使用することが可能である。また、その名前の由来となった廃棄物・リサイクルガバナンスを援用すると同時に、環境省の産業廃棄物処理業優良化推進事業による優良性評価制度=情報公開制度と廃リガバナンスとの連携を視野に入れている。なぜなら、iM−Gは処理・リサイクル会社を統合する基本情報として、環境省の優良性評価制度による公開情報を用いるからである。
 iM−GはシンプリーなiMethodとしては最終バージョンであり、iMethodの一つの結論である。これ以降のバージョンは他のメソッドと複合させたハイブリッドバージョンとなる。ハイブリッド化の対象としては、環境省が優良性評価制度と平行して普及を図っている電子マニフェストや、民間ASP業者による各種のトレーサビリティツール、さらには廃棄物処分場保険などのセキュリティシステムを想定している。

4つの統合

 iM−Gが処理・リサイクル会社を統合するレベルには次の4つがある。
 (1)グループ統合
 処理業者が資本提携や業務提携によって現にグループ化されている場合は、そのグループの全体を統合する。近年、大手業者間の直接出資によるM&A、共同出資法人の設立、持分法適用以下(20%以下)の資本提携、中小企業協同組合の設立、その他さまざまな業務提携が普及しており、グループ統合の必要性が高まっている。
 (2)取引先統合
 排出業者が複数の産廃業者に処理を委託し、あるいは処理を委託した産廃が複数の他の処理業者に二次委託されている場合には、これらの一次・二次委託先業者の全体を統合する。これは廃リガバナンス構築の有力な方法である。
 (3)エリア統合
 エリアごと(市、県、道州、国)に存在する廃棄物処理業者の全体を統合する。自治体が策定している廃棄物処理計画の検証や、大手排出業者のサイト対策、大手処理業者のシェア分析などに応用できる。
 (4)セグメント統合
 セグメントごと(収集運搬・中間処理・最終処分・リサイクル、品目別、処理方法別など)の廃棄物処理業者の全体を統合する。特別管理産業廃棄物などの処理困難物の特殊な処理に長じた業者のシェア分析などに応用できる。



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