I-Method

4-2 CLとの違い

チェックリスト(CL)方式との違い

 行政でも民間でも、審査や調査は「チェックリスト(CL)方式」で行われるのが一般的だ。CLは、問題点を一覧するには最適の方式だ。また、項目ごとに○×をつけるだけという実務上の簡便性にも利点がある。
 千葉県のオフィシャルの検査マニュアルもCL方式になっており、焼却炉の燃焼温度は適正であるかとか、側溝の油水分離枡は機能しているかとか、外壁の高さは十分かとか、数十のチェック項目が並んでいる。
 行政の審査や検査は満点主義で、1項目でも×なら要指導になる。民間の現地確認調査では、CLを点数化し、合格点数を決めていることが多い。100点満点を求めたら、契約先がなくなってしまうからだ。項目の重要性に応じて点数に重みをつけている場合もある。

 廃棄物処理業者の問題は、オーバーフロー受注だけではない。ほかにもたくさん挙げることができる。それを全部網羅するためには、CLを作成するしかない。
 細かく見ていけば問題はいくらでもあるので、項目を増やそうと思えば100項目でも200項目でも設定できる。だが、項目を増やせば増やすほど、CLはコアな問題から遠ざかっていく。だから、実はシンプルなCLのほうが優れている面もある。とくに民間で現地調査をするような場合は、重要な項目に絞り込んだほうが使いやすい。
 CLが細かくなるのは、一つの漏れがあってもならないという強迫観念によるものともいえる。裏読みすれば一つ一つの項目の重要性について信念がないのである。

 CLを作成するためには問題を列挙すればいい。それで問題を発見することはできる。しかし、問題を解決するためには、コアな問題、つまり他の問題の原因となっている根本原因を発見しなければならない。
 CLの項目に重みづけをする場合、最大で3〜5倍になっている。しかし、コアな問題とそれ以外の問題との重要性の違いは、倍率では表せない。強いていえば100倍である。

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